ご覧いただき、ありがとうございます。
年間5〜6回、関東圏内の美容師さんに向けて、独立開業「イチバセミナー」を開催させていただいております。
元々のセミナー趣旨は、ご紹介という普段の営業スタイルのなかで、お会いする事が出来ず、お話しする機会がない美容師さんに向けて発信し、ノウハウを少しでもお伝えして行こう!
そんな考えから定期的に開催する事になったんです。
それでも限られたエリア、曜日での開催になるので、参加出来ないとのお声をいただいてもいます。
なので、ここで書けるだけ書いちゃおうとw
美容師さんが独立するには、一体なにから手をつけたらいいのか、最初は何もわからないと思います。
そこでこの記事では、どう動いたらいいのか、美容師さんの独立までの流れ、項目ごとに詳しく解説して行きます。
美容師が独立するまでの流れ

まず、どう動いたらいいのか、何から手を付ければいいのか。
美容師の独立までの流れを書くと、
- 物件探し
- 不動産申し込み
- 内装業者と物件内見
- 融資面接
- 融資決定
- 不動産契約
- 融資実行(着金)
- 内装工事
- オープン!!
順調な流れで行くとこんな感じですかね。
2番と3番はほぼ同時くらいになったりもしますね。
そして0番として、自己資金の整理整頓。といったところでしょうか?
この流れの間にもちろん、ホームページ、ホットペッパー、電話ネット回線、USEN、ディーラー打ち合わせ、給与雇用の打ち合わせ、クレカ、印刷関係など諸々の手続きが入ってきますが、順不同になりますし、大筋の流れとしては省いてあります。
流れとは順不同になる事もありますが、それぞれに関わる事を分別して解説していきます。
美容師が独立の時、融資を受けるためには?

自己資金で開業できてしまえば必要ないですが、大抵の方はまずここが気になるはず!
「借入れ出来るのか?」
自己診断してみて下さい。
- 税金、公共料金などの滞納がある。
- 以前、クレジットカードを作ろうとしたら作れなかった。
- 自己資金が通帳に入っていない。
- 免許証などの公的証明書をよく無くす。
- すでに業務委託などで確定申告をしているが、利益が出ていない。
この辺りに不安がある人は、動き出す前に事前に対策が必要になるでしょうねぇ。。
クレジットカードが作れないような金融事故を起こしてる人は、正直対策も打てないんですけど。。。
どれくらい借入れできるか?
これも気になるところ。
一般的に言われているのは「自己資金の倍額まで」と、聞いたこともあるかと思います。
えっと、「一般的には」ですw
基本的な枠としては2000〜3000万くらいまでは創業としての借入れは可能だと思います。
僕のお客様は1000万前後の融資額が多いですかね。
ただ、どれくらい借入れ出来るかも重要ですが、しっかり事業計画を立てて、いくら借入れすればいいのか?
こっちの方がどれくらい借入れできるか。よりも大切ですよね!
借りたはいいけど、無駄に余っていたり、無駄に資金を使ってしまったり。
借入れの返済は経費にはならないので、現金が残っていないのに税金の請求がきた!なんて事にならないよう、バランスが必要ですよね。
そこで大切なのがこれ。
美容師の事業計画
融資を受ける方は必ず必要になりますし、自己資金で出店される方も作っておかないとマズいやつです、これ。
これだけで10万20万の費用を取っているコンサルもあるくらいですからね!
たけーよ!!wって感じですけどね。
事業計画は大きく2つにわけられて、
どんな人が、どんな想いで、どんなサロンを作り、どう経営して行くから儲かる!なので、ちゃんと返済できますよ!
といった経営試算部分と、
どこにどれくらい費用がかかるから、いくら借入れしたいんです!
といった開業資金の試算部分とに分けられます。
ここがしっかりしていないと、どれだけ自己資金を貯めていても、融資が受けられない可能性もあります。
開業予算を考えてみると、例えば1500万の総資金で開業を考えていて、自己資金は500万の場合。
1000万の融資を受ける事になるわけですが、そもそも足りるの?って計算をしなきゃいけないですよね。
そこを先に試算して、開業にいくら必要なのか?
予算内で収めるにはどこを削り、我慢しなければいけないのか?
逆に借入れを増やして、総予算を上げなければいけない場合もありますよね。
そして経営試算の部分。
客数や単価、スタッフ数から売上を試算して、それに対して、家賃、材料、水道光熱費、人件費、その他諸々(雑誌からトイレットペーパーまで)の経費が月々どれくらいかかり、いくらの利益がでるか。
計算して赤字でしたw
じゃシャレになりませんからね!
ちゃんと返済してくれる人に融資してくれるので、しっかりと事業計画は立てましょう!
ちなみに正式な融資書類に書ききれてしまうくらいの事業計画だと、融資決定は難しいと思います。
頭の中にあるサロンイメージなど、全て文面にすると、書ききれなくなっちゃうと思うんですけどね!
銀行(信金)と日本政策金融公庫
多くの方が日本政策金融公庫、通称「公庫」での借入れをします。
その理由としては、
- 無駄な費用がかからない。
- 色々と融通がきく。
銀行の場合は保証協会を通して借入れをするので、ざっくり20〜30万くらい費用が余分にかかるんですよね。
開業時にこの出費は結構大きいんですよね、セットイス4〜5台買えちゃいます(もちろん物にもよりますがw)
それと銀行の場合、先に書いた独立までの流れが変わるケースがあります。
融資決定(融資が受けられるかが確定)する前に、不動産契約書の提出を求められる事があるので、最悪不動産契約したけど融資が受けられない。という事もあるわけです。
その場合、仲介手数料など、返金されないお金が発生するので、できれば不動産契約は融資決定後に結びたいんです。
流れ通りにやり易いのは「公庫」なんですよね。
独立のための物件探し

続いて物件です。
まずは物件がないとオープンできませんよね。
なので、動きとしてはここから始まります。
エリア選定、やりたいお店のコンセプトに合わせて地域の不動産屋を回ったり、ネットで調べたり。
家賃や不動産取得費用を算出して、どれくらいの利益がでるか試算も必要になりますよね。
独立時期
これはよく、何年の何月くらいにオープンしたい!と希望される方が多いんですが、ぶっちゃけ物件次第でずれ込みますw
早く見つかる場合もありますし、なかなか見つからない場合もあります。
物件が見つかってから、おおよそ3ヶ月後がオープンの目安になるかと思います。
もちろんそのテナントの条件や独立希望の方の現状(辞める時期があるのでオープンを前後させたい等)によっては前後する事にはなりますが。
大まかな時期設定はもちろん必要なんですが、希望通りにオープンできるかは、物件次第になってきます。
美容室に向かない物件
不動産契約には「定期借家契約」という契約があります。
通常の不動産契約は更新タイプで、例えば2年更新であれば、よっぽどの事がない限り、借主側が借りたいのであれば2年後に更新して、延長して借りる事ができます。
定期借家契約の場合、例えば5年定期だと、5年後に大家さんが、退出して下さいと言ってきたら退去しなきゃいけないんです。
大家さん都合で退去させる事できる契約なんですよね。
基本的には移転などはしないサロンが多いのですが、元を取る前に出て行かなきゃいけない。なんて事態も考えられるんです。
それと、設備に費用がかかるテナント。
こちらもダメではないのですが、内装に大きく費用をかけなければならなくなるのが、電気ガス水道などの、設備が整っていない物件。
予算次第ではなんとかなるんですが、100万単位で追加は普通にある事なので、気に入った物件が見つかり次第、すぐ内装業者と内見に行く事をオススメします。
美容師さんは忘れがち、不動産交渉
必ず下がる訳ではないですが、やってみる価値はありますよね!
家賃、保証金など、一部でも下がればそれに越した事はないので。
家賃1万下がれば年間12万、10年で120万ですからね!
不動産屋が仲介に入るケースが多いですが、不動産屋はそう、仲介なんですよね。
借主側と大家さん側、双方の間に入ってくれる人なので、言いたい事は言っておきましょうw
長く空いてる物件はもちろん、間を空けたくない大家さんもいるので、どんな物件でも、やり過ぎない程度に交渉はした方がいいですよ!
注意点としては、あまりに交渉しすぎると、断られてしまう可能性もありますから、力加減はほどほどにしておいて下さい。
下がったらラッキーみたいな感覚でいた方ががっかりしなくて済みますし(笑)
独立時の内装業者の選定

続いてこちら。
自分で気に入ったデザイナーにお任せする方も多いですね。
こちらとしてもご紹介は出来ても、指定している訳ではないのですが、まずはやめておいた方がいいですよって所から。
美容室をあまり作っていない業者、デザイナー
美容室の内装って、割と特殊なんですよね。
水周りや導線、セット面の間隔など、作った事がない、もしくは何軒かは作った事があるという業者。
こういった業者に依頼する場合、カッコいいデザインのお店は出来るかも知れませんが、使えないお店になる可能性有りですw
自分で間隔や導線、照明などを調べて確認しないと、死んだセット面や施術中は避けないと通れない導線、すぐ詰まる水周りなど、後悔する事になるかも知れません。。。
知り合いや身内への依頼
どうしても予算が足りない場合以外は、こちらもあまり賛成できません。
圧倒的に費用は押さえられますからね!
でも上に書いた事はもちろん、それ以外に納期が遅れる事が多いんです。
知り合いだから安くなるけど、後回しにされちゃう。
依頼するのであれば、そこの部分はきっちり守ってもらいましょう!
仮に1ヶ月オープンが伸びた場合、固定費や上がるであろう売上を計算すると、もしかしたら普通の業者に依頼しても大差ない費用になってくるかもしれませんよね?
前もって予約を入れて下さっているお客様にもご迷惑をおかけする事になるので、納期はしつこいくらい確認して下さい。
…それでもズレる事が多いんですがw
美容師の相見積もりの仕方
高い金額を支払う内装なので、失敗したくないですよね。
そんな時にやるのがこの「相見積もり」です。
まず比べるのはその人との相性。
始めに会った業者とのフィーリングが合うようであれば、あえて相見積もりの必要もないかもしれません。
金額的な部分はやりたい事と予算の折り合いをつけていく作業になるので。
とはいえもちろん安い方がいいですよね!
そこで考えたいのが、内装の優先順位を決める事です。
値段なのか、デザインなのか?
お店のコンセプトによっても変わってきますよね?高単価のサロンを作りたいのに、いい方は悪いですが安っぽい内装でいいのか?
高単価サロンを目指すのであれば、ある程度費用をかけなければいけないかもしれません。
まず、ある程度予算を決めて、業者に伝える。
そして同じ価格帯の業者に相見積もりを依頼する。
そうしないと同じ土俵での相見積もりではなくなってしまうので、良いデザインをしてくれる業者が引いてしまう可能性もあります。
美容室の技術料がデザイン費用みたいなイメージですかね?
1000円カットもあれば、10000円カットもあるって事です。
10000円カットのお店に、あっちの美容室は1000円だから、1000円にして。って来店された方に、どう対応するかです。
極論ですけどねw
その他、独立時に関わる事
上記以外にも必要になる事で重要な職業を書いておきます。
美容師独立と税理士、社会保険労務士の関わり
基本的に税務に関わる仕事、確定申告や税務相談は税理士さんにする事、依頼する事になります。
ただ、オープン当初、税務相談ってないんですよねw
それよりもまずは売上を上げる事に専念したいところ。
なので、オススメは「記帳代行」という方達。
簡単に言うと、お店の売上、経費、通帳のコピーなど、お金の動きがある物を渡すと、月々の帳簿になって帰ってくるんです。
自分の力で帳簿をつける事も可能ですが、合っているのか間違っているのか確認できないんですよね。
税理士さんは基本的に、この確認作業をしてくれます。
だったら、帳簿を付けてもらった方が安いし勝手がいいんですよね。
将来、会社を立ち上げて法人化した時に、改めて税理士さんに依頼をした方が費用は抑えられると思います。
確定申告などの税務処理は、スポットで税理士に依頼する。
この方が合理的に感じます。
そして社会保険労務士、通称「社労士」さん。
その名の通り、社会保険の手続きや、労働保険の手続き、助成金の手続きや給与計算などを仕事としています。
オープン当初、雇用をするのであれば労働保険の加入(雇用保険と労災)が義務なので、その手続きを依頼するか?と言ったところと、給与計算を自分でやるかどうか?
リスクとしては、こちらも合っているかどうかが解らないのですが、やり方さえ理解してしまえば、スタッフの人数が少ないうちは、自分でやってしまうのもアリだと思います。
社労士に依頼する事で、助成金の手続きがあります。
成果を出す為には、こちらは依頼する方がより確実になるでしょうね。
今回はかなり長文になりましたが、お伝え出来ていない部分もまだまだあります。。
そこに関しては、今後も書いて行きますし、過去のブログも参考にしていただければと思います。
長文、お付き合いありがとうございます。